ホルモン補充療法(HRT)ってどんな治療法なの?

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ホルモン補充療法【HRT】について正しく理解しておこう

ホルモン補充療法

HRT(ホルモン補充療法)というのをご存知でしょうか?

これは更年期障害の緩和の為に病院で行われる治療法です。

 

更年期障害は閉経を迎える前後に女性ホルモン(エストロゲン)が急激に減少することによって引き起こされます。
ですのでこの減少したエストロゲンを補ってあげようというのが、ホルモン補充療法(HRT)という治療法です。

 

更年期の原因から考えてもこのホルモン補充療法(HRT)は理にかなった素晴らしい治療法だと思いますが、日本ではまだまだ認知度は低く、普及率も1.5%ほどになっています。
ここではこのホルモン補充療法(HRT)の効果や具体的な治療法について紹介するとともに、どうしてこの治療法があまり普及していないのかなどについて詳しく解説したいと思います。

 

ホルモン補充療法(HRT)の歴史的背景

 

HRTの正式名称はHormone Replacement Therapyとなっており、読んで字ごとく女性ホルモンを補充する治療法(セラピー)となっています。
元々は欧米で1970年ころに開発された治療法で、日本には1980年代の後半に導入されました。

 

HRTの論文報告

女性の体は閉経までは女性ホルモンによってずっと守られてきていることはわかっていたので、「女性ホルモンを補充するこのホルモン補充療法は画期的な素晴らしい治療法である!」と称賛されたのですが、2002年WHI(Women’s Health Initiative)というところから、

「HRTは心筋梗塞、脳卒中、脳梗塞、乳がん、静脈血栓のリスクを上昇させる」との報告があがり、一気に人気が下火になってしまいました。

 

その後、更なる研究により、このような副作用が起きるのは一部の方であることがわかったり、より安全な治療方法も確立されて、閉経後の女性のHRTの普及率はアメリカでは38%、オーストラリアでは56%と欧米では平均30〜40%くらいとなるまで広まってきています。
しかし、日本は保守的な国であるという国民性のためかリスクよりも安全をという思考もあり、まだ1.5%くらいの普及率でとどまっています

 

これは日本人女性が我慢をしてしまう性格であることも影響しているかもしれませんし、日本人は食生活で基本的に更年期に効果的なイソフラボンを摂取できる大豆製品を子供のころから欧米よりも摂取しているため更年期の症状が欧米ほど顕著ではないということもあるのかもしれません。

 

ですが、ホルモン補充療法(HRT)はこのようにまだまだ歴史の浅い治療法ですので認知度は低いですが、現在はかなり確立された確実な更年期緩和の治療法ですので、今後はもっと日本でも普及してくると思います。

 

 

ホルモン補充療法(HRT)の効果

 

ホルモン補充療法(HRT)はこのようにまだ日本ではあまり普及はしていませんが、その効果はどうなのでしょうか?
これについてはとても効果があることがわかっています。

 

ホットフラッシュなどに効果的

特に効果がはっきりと出やすいのは、

ホットフラシュ、のぼせ、多汗などで、即効性もあり、早い人では1週間(〜1カ月)で実感できる人もいます。
また下半身の冷え、動悸、息切れなどにもとても効果的です。

 

自律神経の乱れからくるこのような血管運動神経症状は高確率で改善に向かいます。

 

また精神的な面についても効果があります。
ホルモン補充によって自律神経の乱れを整えるとともに、女性ホルモンであるエストロゲンは脳の神経細胞を保護する働きがあるので、うつ症状に直接作用するからです。

 

その他にも更年期の症状である、肌のかゆみ、萎縮性膣炎などにも効果を発揮します。

 

更年期の症状は、血管運動神経系、精神神経系 、皮膚・分泌系、運動器官系、消化器官系、泌尿器系、生殖器系など体のあらゆるところに現れます。
(詳しくはこちら→代表的な更年期の症状

 

これらの症状を1つ1つ治療、改善していくのは大変ですが、ホルモン補充療法(HRT)ならその原因である「女性ホルモンを補充する」わけですから、すべてが基本的には改善する根本治療と言えるでしょう。

 

またホルモン補充療法(HRT)には骨粗鬆症の予防にも大きく効果を発揮します。
女性は更年期を過ぎると急速に骨密度が下がり、骨粗鬆症になりやすくなります。
(→※更年期と骨粗鬆症
ホルモン補充療法(HRT)はこれを防ぐ働きもしてくれます。

 

その他にもアンチエイジング効果として肌や髪を守るというような効果も期待できます。

 

 

ホルモン補充療法(HRT)の実際の治療内容は?

 

飲み薬

ホルモン補充療法では女性ホルモンのエストロゲンと黄体ホルモンのプロゲステインの両方を投与していきます。

本来でしたら女性ホルモンのエストロゲンだけを投与すれば更年期の症状の対策はできるのですが、エストロゲンだけを投与した場合は懸念されていた通りがんの発症率が高まります。
それを防ぐためには同時に黄体ホルモンプロゲステインを摂取することが必要だということがわかり、HRTではこの2つを同時に投与するという治療法が確立しています。

 

 

ホルモン補充療法には経口剤(飲み薬)と、経皮剤(貼り薬・塗り薬)があります。

 

経口剤(飲み薬)は効果は高いのですが、その分胃や肝臓に負担をかけたり、時には不正出血(生理のような症状)を起こす場合もあります。
ですので、最近では経皮剤である貼り薬の方が主流になっているようです。

 

貼り薬は経口剤よりは効果は低くなりますが、比較的副作用の心配はありません
おへその下やお尻、太ももなどの皮膚の薄いところにパッチを貼り、皮膚から薬剤を取り込みます。
このパッチは定期的に貼り替えますが、はやり肌の弱い部分だということもあり、かぶれたりかゆみが出ることもあります。

 

貼り薬でどうしてもかぶれてしまう人には塗り薬が処方されます。

 

 

効果と治療期間|いつまで続けるの?

 

ホルモン補充療法の効果はかなり高く、即効性があります。
早い人では1週間でそれを実感できるそうです。
その後効き具合や副作用などの状態を見て薬の量などを調整していきます。

 

ただし、このホルモン補充療法(HRT)は最長でも5年しか受けることはできません
これ以上になると乳がんのリスクが3割以上増えると言われているからです。
ですので、実際には2〜3年で治療をやめることを勧める病院が多いようです。

 

これは担当医との個別の相談によって決められていきます。

 

ホルモン補充療法の費用は?

 

ホルモン補充療法は更年期障害と診断されれば保険適用になります。
(女性器の萎縮状態、骨粗鬆症という診断でも保険適用になります)

 

ですので治療費もそれほどかからず、1カ月多くても5,000円程度、ほとんどの場合は3,000円以下で治療が受けられます。

 

 

懸念されるホルモン補充療法の副作用について

 

効果も高く、費用もそれほどかからないホルモン補充療法。
なのにあまり普及しないのはなぜでしょうか?

 

それはやはり副作用の心配をされる方が多いからだと思います。
その懸念される副作用について改めてまとめてみましょう。

 

子宮がん

子宮がん

一番心配されるのはこの子宮がんです。

エストロゲンには子宮内膜を増殖させます。それと同時に子宮がんの発育もさせてしまうというのが原因です。
ですが先ほども解説しましたが、エストロゲン単体ではなく黄体ホルモンのプロゲステインを同時に投与するとこのリスクはないと言われています。

 


乳がん

乳がん

子宮がんと同様に心配されるのがこの乳がんです。

乳がんの場合は5年以上治療を続けると発症率が3割増えると言われており、長い期間のHRT治療は受けることができません。
2〜3年で治療をやめればこの心配はないのですが、どうしても心配になってしまう人も多いようです。
これがHRT治療を拒む一番の原因になっています。

 


心筋梗塞

心筋梗塞も懸念される副作用の一つです。
ただし、これは高齢になってからHRT治療を始めた場合で、閉経の頃や50代くらいで始めた場合はほとんど心配することはない副作用です。

 

脳梗塞・脳出血

脳梗塞

この2つは年齢に関係なく懸念される副作用ですが、投与するエストロゲンが多すぎると発症する可能性が多くなります。

ですので医師の診断の元、しっかり治療を行えばそれほど心配はいらないと思われます。
また効果が高い経口剤よりも経皮剤の投与の場合はより安全だと言われています。


 

HRTの副作用の心配

以上が懸念されるホルモン補充療法(HRT)の副作用です。

どれも明らかに心配になるものではないのですが、それでも怖い病気ばかりだということもあり、HRTがあまり広まらないのもよくわかります。
実際にはできればホルモン補充療法(HRT)は受けずに他の方法で更年期を乗り切りたい・・・と思ってしまう人がほとんどなのではないでしょうか。
欧米では多くの方が受けている治療法ですから、日本でももっと時間が経てば認知され当たり前のようにこの治療を受ける人も多くなるのかもしれません。
ですがまだまだそれは少し先になりそうです。
ただ、更年期の症状が辛く、サプリメントなどの方法ではどうにもならない場合は、多くの方が体験しているように効果がはっきり出ますので、是非専門医を訪ねてみて欲しいと思います。

 

※一部ではホルモン補充療法は太るという話もよく耳にします。
これは明らかな根拠はないようですが、体調が良くなることと、ちょうど更年期で太りやすい世代であることなども関連しているようです。

 

ホルモン補充療法(HRT)を受けられない人

 

このように副作用の懸念はあるにしろ、効果がはっきり実感できるホルモン補充療法(HRT)ですが、誰でも受けられるわけではありません。
ホルモン補充療法を受けられない人(禁忌)は以下のような方です。

 

 

ホルモン補充療法を行ってはいけない人(禁忌)

・乳がん治療中または経験のある人
・子宮体がんの治療中の人
・心筋梗塞と診断されたことのある人
・脳梗塞の経験のある人
・静脈血栓症や静脈瘤のある人
・妊娠している人
・このほか重度の肝機能障害障害のある人、原因不明の不正出血のある人

 

また治療は受けられますが、充分に注意をしなくてはならない方も定義されています。

 

ホルモン補充療法を慎重に行う必要のある人

・卵巣がんの経験のある人
・子宮体がんの経験のある人
・子宮筋腫、子宮内膜症、子宮腺筋症のある人
・60歳以上、または閉経後10年以上経っている人
・静脈血栓症のリスクがある人
・狭心症と診断されている人
・重度の高血圧、脂質異常症、肥満、糖尿病の人
・その他喫煙者、偏頭痛、胆石、慢性肝疾患など


(※以上 ホルモン補充療法ガイドラインより)

 

 

このように誰でも受けることができるわけではありませんが、上記のような疾患がなければ治療が可能です。

 

実際には担当医とのカウンセリングや更年期検査を受けた上での治療開始となりますが、更年期が辛くて一刻も早くなんとかしたいという場合には、一度信頼できる婦人科に相談してみるといいでしょう。

 

 

とはいってもやはりなんとなく怖いHRT

それでもなんとなく怖いHRT

以上、ホルモン補充療法(HRT)について解説をしてきました。

 

「ホルモン補充療法(HRT)は正しく治療を受ければ副作用の心配はほとんどない」

 

というのは本当のことです。
ですから本来なら安心して受けていいものです。

 

・・・ですが、どうしても「ちょっと怖いな・・」と思うのは私だけではないと思います。

 

私もこのホルモン補充療法(HRT)については何度も本を読んだりして知識を得ましたが、大丈夫だと聞いてもやっぱりどこか恐怖心か消えませんでした。

 

そしてまずは食事療法や、生活の改善を行うとともに、最も安全だと言われる更年期のサプリメントをまず取り入れてみることにしました。
幸いそれほど重度ではなかったということもありますが、私はサプリメントで充分に効果があったと思っています。

更年期サプリ

もっともっと重度の更年期障害の場合はサプリメント等では緩和はされないかもしれません。
ですがまだ何も更年期の対策をしていないのであれば、まずは手軽にリスクがなくはじめられるものから始めてみてはいかがでしょうか?
大豆イソフラボンのエクオール系のサプリは女性ホルモンの代わりの働きをします。
高麗人参のサポニン系のサプリは自律神経の乱れに直接作用してくれます。

 

まずはこの2大成分のどちらかの更年期サプリを試してみてください。
HRTの治療はその後でもいいと個人的には思います。